歴代ドラマの視聴率推移を振り返ると、1990年代から2000年代初頭の黄金期には30%を超えるメガヒット作が連発していました。この過去の栄光と比較し、「現在のドラマは1桁ばかりで全滅」「テレビは完全にオワコン化した」と断定する論調がネット上には根強く存在します。しかし、これはメディア環境の構造変化を無視した短絡的な誤解です。
当時と異なり、現在は定額制動画配信サービス(SVOD)、YouTube、SNSなど可処分時間の奪い合いが激化しています。その選択肢が無数にある中で、特定の時間帯に何百万人もの人間を同時に惹きつける地上波テレビのリーチ力は依然として強大です。
世帯視聴率が8%であっても、個人視聴率やタイムシフト視聴率、配信数を合算した「総合視聴率」で見れば、実質的に人口の15〜20%相当が作品に接触しているケースが一般的です。「視聴率1桁=不人気」という単純な物差しは、現代のコンテンツ消費実態を捉えきれていません。