有償ボランティアとは、個人の自発的な意思に基づいて社会貢献活動を行いながら、発生した実費や拘束時間に対するわずかな対価として「謝礼金」「活動奨励費」などの名目で金銭を受け取る活動を指します。法律上の明確な定義規定が存在する独立した資格制度ではなく、実態としては民法上の委任または準委任、あるいは純粋な好意同乗的な合意に近い性質を持ちます。
ここで最大の論点となるのが、一般的な「アルバイト(雇用契約)」との違いです。アルバイトは労働基準法第9条に基づく「労働者」として雇用主と雇用契約を結び、指揮命令下で労務を提供します。その見返りとして、都道府県ごとに定められた最低賃金以上の給与支払いが法的に義務付けられます。
一方、有償ボランティアには原則として雇用契約が存在しません。活動者は労働者ではなく「ボランティア(篤志家)」であるため、労働基準法や最低賃金法、労働安全衛生法などの労働者保護法規がそのまま適用されない建前になっています。支払われる金銭も「労働への賃金」ではなく、活動に伴う自己負担(交通費や通信費、お茶代など)を補填する「実費弁償」や、感謝の意を示す「寸志・謝礼」という位置付けです。