フランス大統領府であるエリゼ宮において、ブリジット夫人は従来の「大統領の妻」の枠組みを大きく塗り替えた。いじめ問題の根絶や障害者支援、教育改革など、社会課題への取り組みにおいて主導的な役割を果たしている。彼女の活動は、現代の政治・国際政治学の領域においても興味深い研究対象となっている。
アメリカの「ファーストレディ」とは異なり、フランス共和国政府の公的な憲法上の規定が存在しない中で、彼女はいかにして公的役割と個人のアイデンティティを両立させてきたのか。エリゼ宮に寄せられる膨大な国民からの手紙に目を通し、市民の声に耳を傾けるその姿勢は、マクロン政権の「人間味」を補完する不可欠な要素となっている。彼女の存在感は、単なる外交上の華やかさにとどまらず、政権の求心力を支える実質的な柱なのだ。