ヨーロッパ出身者として初めて大関の地位まで上りつめた元琴欧洲。その圧倒的な身体能力と柔軟な思考は、部屋の師匠となってからも遺憾なく発揮されている。鳴戸部屋を創設して以来、彼が目指してきたのは単なるスパルタ指導の再現ではない。大相撲が大切にしてきた伝統的な稽古の良さを残しつつ、現代のアスリートに必要な要素を融合させることだ。
怪我の予防や栄養管理、睡眠の質の改善にいたるまで、多角的なアプローチを取り入れた。旧態依然とした指導法から脱却し、個々の身体特性に応じた合理的なトレーニングを推進する姿勢は、多くの若手力士たちにとって大きなモチベーションとなっている。