店内で本を選ぶ人々の手元には、決まってペーパーカップがある。スターバックス コーヒー ジャパン株式会社とのパートナーシップによって実現した「Book & Cafe」のスタイルは、今や全国に普及したが、その原初的な完成形がここにある。コーヒーの香気と紙のめくる音が混ざり合う環境は、都市生活者に許された稀有なリラクゼーションだ。
購入前の書籍を持ち込んで吟味できるシステムは、単なるサービスを超え、訪れる者への深い信頼関係の上に成り立っている。カフェの席で深く腰掛け、淹れたてのラテをすすりながら最初の一節を読み進める。街のカフェでもなく、孤独な自宅の書架でもない。他者の気配を感じながらも完全に自分の世界に潜り込めるサードプレイスが、ここには確立されている。