天理教教会本部は、江戸時代末期の天保9年(1838年)、大和国山辺郡庄屋敷村(現在の奈良県天理市)の農婦であった教祖・中山みき(教祖・おやさま)によって開教された天理教の中心拠点です。教義において、この場所は人間が創造された発祥の地点「ぢば(地場)」と位置づけられており、信者にとって教会本部に赴く行為は単なる参詣ではなく、魂の故郷へ帰還することを意味する「おぢばがえり」と呼ばれます。
明治から大正、昭和、平成を経て現在の壮大な社殿群が整備されてきましたが、その背景には「すべての人間は神の子供であり、陽気ぐらし(互いに助け合い楽しんで生きる世界)を目指す」という根本思想があります。天理市という自治体自体も、教会本部を中心に学校、図書館、総合病院、宿泊施設(詰所群)などが計画的に配置され、世界的にも極めて稀有な宗教的景観都市として発展を遂げました。
2026年は、教祖・中山みきが身を隠した(逝去した)年から数えて10年に一度巡ってくる極めて重要な節目「教祖140年祭」(1月26日開幕)にあたります。国内外から数十万人規模の参拝者が訪れ、境内や市内一帯は年間を通じて大きな熱気に包まれています。