地方空港の多くが1日数百円から千数百円の駐車料金を設定するなか、山口宇部空港はターミナル直結の普通車用スペース約1,800台分を完全無料で開放しています。この破格ともいえる施策の背景には、山口県が長年推進してきた地域交通政策と、モータリゼーションが進んだ県民の移動実態があります。
山口県は県庁所在地の山口市、新幹線結節点である小郡(新山口)、重化学工業地帯の宇部・周南、観光地の下関・萩など、都市機能が県内各地に分散する「多核共生型」の構造を持っています。鉄道網のみでは空港アクセスを完全に網羅できないため、県民が自家用車でストレスなく空港へアクセスできる環境を整備することが、新幹線(山陽新幹線)との激しいシェア争いにおいて不可欠な競争力となってきました。
ただし、「無料だから何をしてもよい」わけではありません。空港管理事務所の規定により、利用にあたっては以下の点に留意する必要があります。
- 長期駐車の届出:原則として14日以上の連続駐車を行う場合は、防犯および放置車両対策のため、事前に空港管理事務所への連絡・届出が推奨されています。
- 繁忙期の混雑:ゴールデンウィーク、お盆、年末年始などのピーク時には、1,800台のキャパシティであっても午前中に満車近くまで埋まるケースが報告されています。
- 夜間施錠エリアの確認:一部の臨時駐車場エリアでは夜間にゲートが施錠される場合があるため、深夜・早朝便を利用する際は駐車区画の案内に従う必要があります。