ステージ終了直後から、NHKの代表電話および各地の放送局には視聴者からの抗議電話が鳴り止まない異常事態に陥りました。その緊迫感は、生放送が進行中であった同番組内の対応にもはっきりと現れることになります。
後半戦の幕開け直後、総合司会を務めていた三宅民夫アナウンサー(当時)が神妙な面持ちでカメラの前に立ち、「先ほどのDJ OZMAさんのステージですが、裸に見えるような特殊な衣装、ボディスーツを着用しての演出でした」と、異例の火消し・事実関係の説明を行う事態となりました。さらに番組終盤には、黒崎めぐみアナウンサーも同様の釈明を重ねるなど、番組進行を中断してまで謝罪と説明に追われる異様な空気が支配しました。
NHKの公式発表資料や当時の報道各社の取材データによると、放送中から翌日正午までに寄せられた抗議・苦情件数は約1,800件から2,000件超に達しました。その大半が「不快極まりない」「子どもに見せられない」「公共放送の自覚があるのか」といった激しい非難の声でした。年明けに行われたNHKの定例記者会見において、当時の橋本元一会長は「極めて遺憾であり、視聴者への配慮を著しく欠いていた」と強い不快感を表明。これにより、DJ OZMAのNHK出演停止、いわゆる「事実上の無期限出禁処分」が決定づけられました。
そしてこの処分の影響は、OZMA単体にとどまりませんでした。DJ OZMAの正体(“設定”上は友人関係とされていたものの公然の秘密であった)である綾小路翔、ひいては彼が率いるロックバンド「氣志團」に対してもNHKの門戸は事実上固く閉ざされることになります。歌謡界最高峰の晴れ舞台で犯したひとつの演出事故が、表現者としてのキャリアに極めて重い十字架を背負わせる結果となったのです。