十三駅を降り立つと、改札の東西でまったく異なる表情の飲食店街が広がっています。この二面性を理解することこそが、十三駅グルメを遊び尽くすための第一歩です。
西口改札を出てすぐ右手に伸びるのが、通称「しょんべん横丁」と呼ばれる阪急十三西口駅前商店街です。2014年の火災を乗り越えて見事に復興を遂げたこの路地は、狭い道幅の両側に赤提灯や大衆酒場がひしめき合い、夕刻を過ぎると肩を寄せ合って酒を酌み交わす呑兵衛たちの活気で満たされます。ここでは「十三駅 立ち飲み せんべろ」の看板に偽りはなく、生ビールやチューハイと串カツ、どて焼きを頼んで1人あたり1,000円〜1,500円程度で十分に完結できる価格破壊が維持されています。午前11時頃から暖簾を掲げる店舗も多く、「十三駅 居酒屋 昼飲み」の需要を一身に背負う聖地として君臨しています。
一方、東口改札を抜けると、十三駅前通商店街を中心に、落ち着いた佇まいの居酒屋、焼鳥店、さらにはエスニック料理や現代風のバルが点在するエリアが展開します。西口の圧倒的な熱気と比較すると、ゆったりと腰を据えて会話を楽しめる店舗が多く、仕事帰りの普段使いやグループでの宴席に適した環境が整っています。この「西の瞬発力」と「東の包容力」のコントラストが、十三のナイトシーンに尽きない奥行きを与えています。