では、幼稚舎に子どもを通わせる保護者のリアルな属性はどうなっているのでしょうか。大手幼児教室の室長や、現役の幼稚舎保護者の証言を総合すると、保護者層は大きく4つのカテゴリーに分類されます。
第一のグループは、代々慶應義塾で学び三田会の中枢を担う「伝統的な名家・旧家」です。第二は、開業医や大学病院教授などの「医師家系」。第三は、メガベンチャーの創業者や外資系金融機関のエグゼクティブといった「新興富裕層」。そして第四が、縁故を持たずに実力一本で突破した「サラリーマンをはじめとする一般家庭(フリー枠)」です。
大手幼児教室幹部は次のように内情を明かします。
「ネット上では『コネなしでは絶対に受からない』と絶望する声も散見されますが、それは完全な誤解です。毎年、両親ともに地方公立校出身で親族に慶應関係者が一人もいないご家庭から、見事に合格者が出ています。そうしたお子さんに共通しているのは、大人の顔色を窺うような萎縮した優等生ではなく、失敗しても笑って立ち上がり、周りの友達を自然に助けられる圧倒的な生命力を持っている点です」
一方で、入学後の保護者付き合いについては相応の覚悟が求められるのも事実です。SNSや匿名掲示板では「保護者同士のマウント合戦が凄まじい」「別荘での集まりや寄付金の額で格差を感じる」といった声も散見されます。しかし、現役保護者からの聞き取りでは「意外にも学校行事は非常に質素で堅実。運動会も華美な装飾は排され、親の職業や肩書きで派閥を作るような陰湿な空気はほとんど感じない」という意見が多くを占めます。幼稚舎が何よりも重んじるのは、家庭環境の豪華さではなく、学校の教育方針に対する保護者の真摯な理解と敬意なのです。