厚別山本公園を語る上で避けて通れないのが、この場所が歩んできた歴史的背景です。ここは1970年代から札幌市の一般廃棄物最終処分場(山本埋立地)として、数十年にわたり市民の家庭ごみや不燃ごみを受け入れてきた場所でした。かつてトラックがせわしなく行き交い、埋め立てが行われていた広大な土地が、約52.5ヘクタール(札幌ドーム約9個分以上)という桁違いのスケールを誇る緑地公園へと変貌を遂げつつあります。
札幌市が策定した整備計画に基づき、単なる緑地化にとどまらず「環境負荷の低減」「自然共生」「多世代交流」を掲げて段階的に造成が進められてきました。地中深くに埋設された廃棄物層に対しては、遮水シートや厳重な覆土処理が施され、メタンガスを安全に大気放散・処理するガス抜き管が随所に配置されています。定期的な水質検査や大気観測データにおいても環境基準を大幅にクリアしており、かつての処分場というイメージを現地で抱く人は皆無と言っても過言ではありません。
2026年現在の状況としては、先行整備されたエリアから順次供用され、木々の生長とともに緑豊かな景観が定着しました。かつての都市の「負の遺産」が、持続可能な未来を象徴するウェルビーイング空間へと昇華した好例として評価されています。