ネットカルチャーに深く刻まれた名言「待ってたぜェこの瞬間をよォ」の元ネタは、2008年から2011年にかけて放送されたテレビアニメ『遊☆戯☆王5D's』に登場する宿敵、鬼柳京介(きりゅう きょうすけ)のセリフです。該当するシーンが描かれたのは、作品屈指のシリアス展開として語り継がれるダークシグナー編のアニメ第55話「仲間たちの想い、救世の竜セイヴァー・ドラゴン」(2009年4月22日放送)でした。
物語は、主人公・不動遊星と、かつて無二の親友でありながら冥界の力に魂を売り渡したダークシグナー・鬼柳京介による運命の再戦クライマックス。遊星のエースモンスター「スターダスト・ドラゴン」の攻撃によって、鬼柳の切り札であるダークシンクロモンスター「ワンハンドレッド・アイ・ドラゴン」が破壊された刹那、鬼柳は絶望するどころか顔のパーツを極限まで歪めた壮絶な表情(ファンからは伝説的な「顔芸」と称される)を浮かべ、喉を裂かんばかりの絶叫を響かせました。
「ヒャーーッハッハッハ!待ってたぜェ!この瞬間をよォ!!」――鬼柳の真の狙いは、ワンハンドレッド・アイ・ドラゴンが破壊されたときに発動する誘発効果にありました。デッキから神にも等しい絶対的破壊力を持つ切り札「地縛神 Ccapac Apu(コカパク・アプ)」を手札に加え、次なるターンで遊星を完全に葬り去るための布石だったのです。
担当声優である小野友樹氏の魂を削るような怪演と、アニメーション制作スタッフの執念が宿った過剰なまでの作画表現が融合した結果、視聴者の脳裏に強烈なトラウマと興奮を焼き付け、遊戯王シリーズを代表するネタセリフとして歴史に名を刻むこととなりました。