小学生が新聞を書く際、最も多くの児童(そして指導する保護者)が勘違いしているのが「作文と新聞の混同」です。ネット上の一部情報では「感じたことをのびのび書きましょう」と解説されていることがありますが、これは新聞づくりの本質を見誤る原因になります。
新聞の根底にあるのは「事実(ファクト)」を読者に正確に伝えることです。自分の心情や主観を中心に綴る「作文(感想文)」とは、明確な新聞の構成ルールの違いが存在します。
新聞記者が徹底している「3大ライティング原則」を小学生向けに落とし込むと、次のようになります:
①「事実」と「感想」を明確に切り分ける
作文では「今日は水族館に行って大きなサメを見て怖かったです」と一つの文に感情を混ぜます。しかし新聞では、次のように書き分けます。
【事実】:館内の大水槽には、体長約3メートルのシロワニ(サメ)が飼育員の手から餌を食べていた。
【記者の目・感想】:間近で鋭い歯を見た瞬間、背筋が凍るような迫力を感じた。
事実を先に提示し、感想や考察を後ろに置くことで、文章の説得力が劇的に跳ね上がります。
② 見出しは「内容を言い切る」10〜15文字の要約(新聞見出しの付け方)
「楽しかった京都旅行」といった作文の題名のような見出しはNGです。新聞の見出しは、それだけを読めばニュースの内容が分かるようにします。「清水寺の舞台を支える釘なし建築の謎」「1日2万個売れる駅弁!人気の秘密を取材」のように、具体的な数字やキーワードを入れ、10〜15文字で言い切るのが鉄則です。
③ 冒頭の「リード文」で全体の5W1Hを凝縮する(新聞リード文書き方)
物語のように時系列で「朝起きてから寝るまで」を書く必要はありません。新聞は「結論ファースト」です。記事の第1段落(リード文)に、いつ(When)・どこで(Where)・だれが(Who)・なにを(What)・なぜ(Why)・どのように(How)をすべて盛り込みます。多忙な現代の読者は、最初のリード文を読むだけでニュースの概要を瞬時に把握できる構造を求めているからです。