「休日にまとめて洗車すればいい」と鳥のフンを放置するのは極めて危険です。鳥のフンによる塗装腐食の理由は、フンの化学的性質と物理的メカニズムの複合作用にあります。
鳥は排泄腔と呼ばれる単一の器官から糞と尿を同時に排出するため、フンの中には高濃度の尿酸(強酸性)やタンパク質、消化されなかった木の実や昆虫の残留物が凝縮されています。この強酸や強アルカリ成分が塗装表面のクリア層を化学的に溶解し始めます。
さらに恐ろしいのが日射による熱の影響です。炎天下でボディの表面温度が60〜70℃以上に達すると、塗膜自体が熱で膨張して柔らかくなります。その上でフンが急速に乾燥・収縮する際、軟化したクリア層を巻き込みながら強い力で引っ張り上げます。夜間にボディが冷えて塗膜が収縮するタイミングでその歪みが固定化され、塗装面にクレーター状の陥没や白濁、微細なクラック(ひび割れ)が刻み込まれてしまうのです。気温の高い季節であれば、わずか数時間の放置でも取り返しのつかないダメージに繋がります。