ランニングマシン初心者向けジム活用法を実践するにあたり、最も軽視されがちなのが「マシンの基本構造への適応」と「身体の重心位置」です。屋外では自らの足で地面を後ろへ蹴り出して前進しますが、ルームランナー(トレッドミル)では足元のベルトが勝手に後方へスライドしていきます。この物理的差異を理解していないと、体が後れを取るまいとして足が前方に突っ込み、ブレーキをかけるような不自然なかかと着地になってしまいます。
膝を痛めないランニングマシンの使い方として不可欠なのが、ミッドフット(足裏全体)着地の意識と、骨盤の真下に足をつく感覚です。視線は足元やマシンの操作パネルを凝視するのではなく、3〜5メートル前方の壁や窓にまっすぐ向けます。頭が下がるだけで首や背筋が丸まり、腰椎に余計な剪断力が加わるためです。
また、走行中に前方の手すり(ハンドレール)を力任せに握りしめたまま走り続けるフォームも見受けられますが、これは体幹の安定筋群が働かなくなるだけでなく、腕振りが制限されて消費カロリーが20〜30%激減してしまいます。手すりは乗り降りの際や速度変更時、心拍測定時に軽く触れる程度に留め、基本は自然に肘を90度に曲げて後ろへ引くフォームを維持します。
そして絶対に省略してはならないのが、ランニングマシン緊急停止安全キーの使い方です。マシンの操作コンソールにクリップ付きの紐で繋がれている赤い安全キーは、万が一ベルトの上で足をもつれさせたり転倒したりした際、磁気接点からキーが外れて瞬時にモーターを停止させる命綱です。クリップを自身のシャツの裾やトレーニングウェアのウエストバンドにしっかりと挟んでおくことは、重大な擦過傷や巻き込まれ事故を防ぐための鉄則です。