「長方形の面積の公式は?」と聞かれれば、ほぼすべての人が「たて×よこ」と即答できます。しかし、なぜ足し算ではなく掛け算なのか、その長方形の面積の公式理由を論理的に説明できる大人は決して多くありません。教育関係者の取材によると、暗記で乗り切った子どもほど、高学年で小数や分数が絡んだ際に「何を計算しているのか見失う」という現象が頻発しています。
たて×よこになる理由の根底にあるのは、「広さを客観的に数値化するための国際的ルール」です。算数では広さを比べる際、まず「1辺が1cmの正方形の広さを1cm²(平方センチメートル)と定義する」という約束事から出発します。つまり、面積を計算する行為は、対象の図形の中に「1cm²の正方形が全部で何個敷き詰められているか」をカウントすることと同義なのです。
例えば、たて3cm・よこ4cmの長方形を方眼紙の上に描いてみてください。よこ1列には1cm²の正方形が4個並びます。そして、たてが3cmあるということは、その「4個の列」が3段積み重なっている状態を意味します。全部の個数を求めるには「4個×3段=12個」、あるいは「3個×4列=12個」という掛け算の式が成立します。これが、小学4年生算数面積の求め方として教えられる公式の正体です。面積の公式は便利な道具である前に、規則正しいタイルの数を素早く数えるための「効率的な集計ルール」に過ぎません。