「目分量」や「感覚」に頼った給餌から脱却し、愛猫に最適な数値を科学的に導き出す武器が、獣医学分野で標準的に用いられる安静時エネルギー要求量(RER)と1日あたりエネルギー要求量(DER)の算出式です。
まず、生命維持に最低限必要なカロリーであるRERを計算します。電卓の「√(ルート)」機能を2回叩くか、スマートフォンの関数電卓機能を用いることで誰でも簡単に算出できます。
【安静時エネルギー要求量(RER)の基本式】
RER(kcal/日) = 70 × (現在の体重kg)の0.75乗
※簡易電卓での計算手順:体重 × 体重 × 体重 = [数値] → [√]を2回押す → [× 70]
体重ごとの大まかなRERの目安は、1.0kgで約70kcal、1.5kgで約95kcal、2.0kgで約118kcal、3.0kgで約160kcalとなります。そして、このRERに子猫の「成長係数」を掛け合わせることで、1日に必要なDERが導き出されます。
【子猫のDER計算係数】
・離乳期〜生後4ヶ月未満:RER × 2.5〜3.0(極めて旺盛な細胞分裂と成長を支えるため)
・生後4ヶ月〜生後9ヶ月:RER × 2.0(骨格形成の安定期)
・生後10ヶ月〜12ヶ月(または去勢・避妊後):RER × 1.2〜1.5(維持期への移行)
例えば、「生後2ヶ月・体重1.0kg」の子猫で、100gあたり400kcalのドライフードを与えるケースをシミュレーションしてみましょう。
1. RER = 70 × (1.0)^0.75 = 70kcal
2. DER = 70kcal × 2.5 = 175kcal/日
3. 必要なフード量 = 175kcal ÷ 400kcal × 100 = 43.75g/日
この子猫の1日あたりの適量は約44gであり、1日4回に分けるなら1回あたり約11gとなります。デジタルキッチンスケールを用い、1g単位で正確に計量することが、消化不良を防ぎ健康な骨格を作る基礎となります。