Q1:日本の硬貨(1円、5円、10円、50円、100円、500円)は磁石につきますか?
A1:日本の現行硬貨は、すべて磁石につきません。1円は純アルミニウム、5円は黄銅(銅と亜鉛)、10円は青銅(銅・亜鉛・スズ)、50円と100円は白銅(銅とニッケルの合金)、500円はニッケル黄銅です。50円や100円には強磁性体であるニッケルが25%含まれていますが、銅と合金化して結晶構造が変わるため、室温では磁石に吸着しません。自動販売機の硬貨選別機は、磁石にくっつくかどうかではなく、コインが通過する際の微小な電磁誘導応答を検知して真贋を判定しています。
Q2:アルミホイルやアルミサッシが絶対に磁石につかない理由は何ですか?
A2:アルミニウムが「常磁性体」という物質グループに属しているためです。アルミの原子にも不対電子が存在しますが、鉄のように「隣り合う電子スピンを一斉に同じ方向へ揃える力(交換相互作用)」が働きません。常温の熱エネルギー(原子の熱振動)によってスピンの向きが常に激しくかき乱されているため、強力な磁石を当てても極めてわずかな引き寄せ効果しか生じず、人間の手で感知できるレベルの吸着力は発生しません。
Q3:最強の磁石と呼ばれる「ネオジム磁石」自体は金属でできているのですか?
A3:ネオジム磁石は、ネオジム(Nd)、鉄(Fe)、ホウ素(B)を主成分とする金属間化合物(Nd2Fe14B)の粉末を焼き固めた正真正銘の金属磁石です。主成分の半分以上は鉄ですが、希土類元素であるネオジムを加えることで結晶内部の磁化の向きが強固に固定され、フェライト磁石の10倍以上という桁違いの吸着力を生み出しています。表面が銀色に輝いているのは、内部の鉄が空気中の酸素で錆びるのを防ぐためにニッケルメッキが施されているためです。
Q4:磁石につかない金属一覧を簡単に覚えるコツはありますか?
A4:「鉄・ニッケル・コバルト以外は基本的に全部つかない」と覚えるのが最短の近道です。日常で目にするアルミ、銅、真鍮、金、銀、プラチナ、チタン、スズ、鉛、亜鉛などはすべて非磁性(または反磁性)です。「金属だから磁石につく」のではなく、「鉄族の3兄弟だけが特別に磁石に愛されている」とイメージすると記憶に定着しやすくなります。