クラシックギター教室の指導現場や受講生への追跡調査によると、独学で『禁じられた遊び』に挑戦したギター初心者の約72%が後半(第17小節以降)の習得段階で練習を中断、または挫折しているという実態が浮き彫りになっています。前半を弾けたときの達成感が大きい分、後半で突きつけられる技術的ギャップに心を折られてしまうケースが後を絶ちません。
この極端な挫折率の背景には、楽曲の音楽的・構造的なトラップが存在します。前半は哀感を帯びたホ短調(Eマイナー)で構成されており、低音部(ベース音)に6弦・5弦・4弦の「開放弦(指で押さえない弦)」がふんだんに使われています。押弦の手間が少なく、右手アルペジオのパターンさえ身につければ、ギターを始めて数週間のビギナーでもそれらしい響きを奏でることが可能です。この段階での禁じられた遊び ギター 難易度は、客観的に見ても「初級(★2)」程度に留まります。
ところが、第17小節から始まる中間部(後半)で世界は一変します。調性が華やかなホ長調(Eメジャー)へ転調した瞬間、左手の運指はハイポジション(フレットの高い位置)へと急激に移動し、人差し指1本で複数の弦を同時に押さえる「セーハ(バレー)」がほぼ全編にわたって連続します。特に9フレットのセーハを維持しながら、小指と薬指を一杯に伸ばして高音メロディを歌い上げなければならない局面では、日常では使わない前腕の深指屈筋群に強烈な負荷がかかります。「指が届かない」「力が入らない」と感じるのは才能の欠如ではなく、楽曲の前半と後半で求められる身体運動の次元が根本から異なることが最大の要因です。