Q1:現代の一般的な農家が、農地を拡大するために永小作権を設定することはありますか?
A1:実務上、ほぼあり得ません。現代の日本の農業現場で他人の農地を借りる場合は、農地中間管理機構(農地バンク)を通じた利用権設定や、農地法第3条に基づく賃貸借・使用貸借契約を結ぶのが通例です。地主側が土地を長期間拘束される永小作権の設定に応じるメリットが存在しないためです。
Q2:親から相続した農地の登記簿を見たら「永小作権設定」とありました。どうすれば消せますか?
A2:まずは登記された日付と、小作料の支払い実態を確認してください。数十年間小作料が支払われておらず、耕作も行われていない実態があれば、20年の消滅時効を主張して抹消できる可能性が高いです。相手方(権利者やその相続人)と共同して抹消登記申請を行うか、相手方が協力しない・行方不明の場合は裁判手続き(時効消滅を理由とする抹消登記請求訴訟)を利用します。
Q3:永小作権と小作権は何が違うのですか?
A3:日常用語としての「小作権」は、農地を耕作するために借りる権利全般(民法上の永小作権と、農地法上の賃借権の両方)を指す俗称として使われます。一方、「永小作権」は民法に定められた物権としての固有名称です。現在一般に「小作」と呼ばれている権利のほとんどは、法律上は物権ではなく「農地賃借権(債権)」に該当します。