「ナスを切ったらすぐに水につけてアク抜きをする」——昔ながらの料理の基本として叩き込まれてきたこの手順だが、実は大きな落とし穴が存在する。
クロロゲン酸やカリウムをはじめとする有用な成分の多くは水溶性だ。長時間を水にさらしてしまうと、せっかくの貴重な栄養成分が水の中にどんどん溶けて出してしまう。アクの正体自体も実はクロロゲン酸などのポリフェノールであるため、過度なアク抜きは栄養を捨てる行為に他ならない。
食のプロフェッショナルが集まる日本栄養士会の専門家も、切ってすぐに油で調理する場合や、変色が気にならない煮物などでは水にさらす時間を最小限(数秒程度)にするか、あるいは一切さらさずに調理することを推奨している。ほんの少しの調理の工夫で、体内に入る栄養価には大きな差が生まれるのだ。