2000年代初頭、世界のアニメーション産業に地殻変動を起こしたのが、ピクサーやディズニーの王子様像とは真逆の道を突き進んだシュレックだった。泥沼を愛し、不快な仕草を見せながらも、誰よりもピュアな心を持つ緑の巨漢は、ルッキズムや固定観念を痛快に打ち破った。
現在でもNetflixをはじめとする主要ストリーミングサービスで世界中の視聴者に愛され続けている本作は、3D CGアニメーション技術の金字塔であると同時に、多様性のメッセージを娯楽へと昇華させたパイオニアでもある。「美しく完璧なヒーロー」ではなく「コンプレックスを抱えた緑の怪獣」が世界を救うストーリーラインは、ハリウッド映画の物語構造そのものを大きく塗り替えた。