実社会以上にこの欲求が可視化され、暴走する舞台がSNSです。Instagram、X、TikTokなどのプラットフォームは、数字(フォロワー数、いいね数、インプレッション)によって他者からの注目度が可視化される設計になっています。このアルゴリズムが、人間の承認システムを刺激し続けています。
ITmediaや各種ネットコミュニティの観察データが示す通り、SNSで自己顕示欲を出す心理には、現実世界での孤立や満たされない欠乏感が色濃く反映されています。大手ネット掲示板や知恵袋の投稿を分析すると、「フォロワーからの『羨ましい』というコメント通知が届いた瞬間だけ、息苦しさから解放される」「本当は借金まみれなのに、見栄を張って高級ホテルに宿泊した写真をアップし続けている」といった生々しい告白が散見されます。
近年特に問題視されているのが、「匂わせ投稿」や「不幸・怒りのアピール」です。高級車のハンドルにさりげなく高級時計を写り込ませるような間接的誇示にとどまらず、批判殺到を狙った過激な発言や、自身のメンタルの不調をドラマチックに演出する行為まで、関心さえ引ければ手段を選ばない状態に陥ります。ネット社会の現場で観測されるのは、自己顕示欲が満たされるどころか、投下する刺激のハードルが上がり続ける「精神的な薬物耐性」のような依存構造です。