耳のデッサンで挫折する人の大半は、入り組んだ軟骨の凹凸をそのまま写実的に追おうとして混乱してしまいます。しかし、耳の構造をイラストへ落とし込む際は、医学的な解剖図を覚える必要はありません。複雑な耳の軟骨の描き方は、アルファベットの「C」と「Y」、そして「逆し」の3つの単純な記号パーツに分解して捉えるのが初心者向け耳の描き方のコツです。
プロの現場で用いられる構造の簡略化ステップは以下の通りです。
- ベース外枠(耳輪):まずは全体を大きめの「C」の字(またはアルファベットの「D」や平仮名の「く」の変形)で捉えます。上部が広く、下部の耳たぶに向かってすぼまるタテ長の楕円が基本骨格です。
- 内側の軟骨(対耳輪):耳の内側にある隆起は、上部が二股に分かれた「Y」の字として描きます。このY字のくぼみ(三角窩)が耳上部の陰影を生み出します。
- 穴を塞ぐ突起(耳珠):顔側の付け根にある小さな出っ張りは、平仮名の「し」を逆さにしたような形で穴(外耳道)を覆うように配置します。
この3つの構成要素さえ押さえておけば、耳の描き方を簡単にマスターでき、どの角度から描く場合でも迷うことがなくなります。リアル調では軟骨の滑らかな肉感を意識し、アニメ調では線を間引いて「外枠+Y字の影」だけに絞るなど、スタイルに応じたアレンジも自在になります。