高級料亭向けバージョンの真骨頂は、日本語の美しさと下世話な欲望が見事に対比されている点にあります。通常版のどぶろっく「もしかしてだけど」歌詞と比較すると、その徹底した言葉の選定に職人技が光ります。
例えば、通常版では女性の何気ない行動に対して「やらせてくれるんじゃないの?」と直截に歌い上げるところを、料亭バージョンでは以下のような雅な表現へと置き換えています。
「お戯れ」「契りを交わす」「お手合わせ」「床入りの儀」といった、時代劇や古典文学に出てくるような奥ゆかしい和言葉を巧みに配置。江口の伸びやかな美声と森の涼やかなギター演奏が合わさることで、まるで老舗旅館の離れで詠まれる恋歌のような風情を醸し出します。
しかし、高級料亭向け歌詞の意味を冷静に読み解けば、言っている内容は普段と何ひとつ変わらない身勝手な男の勘違い。この圧倒的な落差こそが、視聴者の笑いのツボを刺激する最大の仕掛けです。