現在のJ3リーグにおいて、松本山雅FCの置かれた立ち位置は極めて特殊です。クラブライセンス基準や年間予算、平均入場者数のどれをとってもJ2中位〜上位に匹敵するリソースを保持しながら、ピッチ上の松本山雅FCの順位は昇格ライン周辺での激しいデッドヒートを余儀なくされています。
J2復帰を果たすためのレギュレーションは明確です。J3リーグにおける松本山雅FCのJ2昇格条件は、リーグ戦での上位2位以内の自動昇格、あるいは3位から6位による昇格プレーオフを勝ち抜くことにあります。しかし、過密な松本山雅FCの試合日程と結果を追う中で浮き彫りになるのは、アウェイでの手痛い取りこぼしと、守備を固める下位クラブに対する決定力不足です。
J3の舞台では、対戦相手のほぼすべてが「松本山雅を倒すこと」をシーズンのハイライトとして位置づけ、極端なリトリート戦術(自陣深く守備ブロックを形成する戦い方)を敷いてきます。ボール保持率で圧倒しながらもワンチャンスのカウンターで失点する典型的な「強者の罠」に陥るケースが多く、勝ち点3を積み上げきれない展開が続いてきました。