移籍当初、横浜スタジアムで行われた交流戦において、内川聖一が打席に向かうとスタンドからは激しいブーイングが浴びせられました。それは裏切りに対する怒りというよりも、生え抜きのスーパースターを流出させてしまった球団フロントへのやるせなさと、ファン自身の悔しさが反転した感情の表れでした。
しかし、時間の経過と双方の状況変化がファンの心理に大きな転換をもたらしました。2011年オフにDeNAが親会社となり、横浜DeNAベイスターズとして球団改革が進展。観客動員数の記録的増加や2017年の日本シリーズ進出、そして2026年の日本一達成など、チームが「勝てる組織」へと変貌を遂げたことで、過去の暗黒時代へのトラウマが癒やされていったのです。
SNSやファンコミュニティの声を検証すると、以下のような意識変化が明確に見て取れます。
- 移籍直後(2011〜2014年):「なぜあのような言葉を残して去ったのか」「恩を仇で返された」という反発や悲嘆が多数を占める。
- 円熟期(2015〜2018年):ソフトバンクでのキャプテンシーや2000安打達成の報に接し、「横浜で育った偉大な打者」としての再評価が進む。
- 晩年〜引退後(2026年〜現在):「当時の劣悪な球団環境を考えれば移籍は当然だった」「暗黒時代を一人で支えてくれた功労者」として、スタジアム来場時には温かい拍手が送られる関係へ。
2017年の日本シリーズ(ソフトバンク対DeNA)では、敵味方として相まみえながらも互いの健闘を称え合う姿が見られ、かつての遺恨は完全に過去のものとなりました。