ホテル業界ウォッチャーの視点から見逃せないのが、「ビジネスホテル撤退=不採算業績」という短絡的な誤解です。ネット上では「コロナ禍による宿泊客減少で倒産した」という語られ方をされるケースもありますが、実態は大きく乖離しています。
東横インのビジネスモデルは強固な財務体質に支えられており、単館の赤字だけで即座に閉館することは稀です。真の盲点は、「施設老朽化に伴う顧客満足度(NPS)の低下リスク」をどうコントロールするかというチェーン戦略にありました。
客室内のUSBポート不足、水回りの段差、狭いユニットバス、老朽化した空調の一括管理システムなどは、現代の利用者が口コミで低評価を付ける決定的な要因になります。丸の内拠点を巨額のコストを投じてフルリノベーションしても、立地的にインバウンドの爆買い層や高級志向のファミリー層を取り込むのは難しい。それならば、築年数の経過したビルから計画的に撤退し、需要の太い名駅南や栄といった開発重点エリアにブランド力を集中投下する方が、中長期的な資本効率は高くなります。つまり、閉館は敗退ではなく戦略的選択だったのです。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
東横INN名古屋丸の内が存在しない現在において、出張や観光で中京エリアに滞在する際、どの拠点を優先して選択すべきかを明確に提示します。
▼名駅周辺の東横INN(桜通口新館・本館など)を選ぶべき人:
- 新幹線を利用し、下車後すぐに重いスーツケースを預けて身軽に行動したい人
- 天候に左右されず、駅構内の商業施設や地下街で食事と買い物を完結させたいビジネスパーソン
- 早朝便の出発や深夜到着で、名古屋駅への移動リスクを極力ゼロにしたい出張族
▼他のエリア(栄・錦・金山周辺)や別ホテルチェーンを検討すべき人:
- 宿泊コストを可能な限り下げ、1泊7,000円前後の低予算に収めたい人(名駅直結系は価格帯が上昇傾向にあるため、伏見〜丸の内の他社カプセル・ビジホが候補)
- 大型車やハイルーフ車で名古屋市内入りするロードトリップ旅行者(平面駐車場が潤沢な郊外型ホテルを優先すべき)
- 官公庁街(中区三の丸)に直接用務があり、徒歩移動のみにこだわりたい人(丸の内エリアに残る他社ブランドホテルを指名買いするのが正解)