閉館後の淡路島海上ホテルが抱える最大の焦点は、建物の解体スケジュールと跡地活用計画です。
福良湾沿岸は、瀬戸内海国立公園の景観保護区域や港湾法に関わる諸規制が重なるエリアです。大型建築物の解体工事には、海域環境への負荷軽減(汚濁防止膜の設置や騒音・振動対策)が厳格に求められ、工期の長期化と解体費用の高騰が全国的な課題となっています。行政資料および観光開発関連の取材によると、南あわじ市全体では福良港周辺の回遊性を高めるウォーターフロント構想が進んでおり、跡地についても民間デベロッパーによるリゾートヴィラ開発や地域共生型観光施設への転用が模索されています。
2026年現在の南あわじエリアは、北部の西海岸エリア(パソナグループ等による大型エンタメ開発)とは一線を画し、「豊かな食文化と静穏な自然景観を楽しむ大人の滞在拠点」としてのリブランディングに成功しつつあります。道の駅福良を起点とするマルシェやうずしおクルーズ、福良湾の入江を活かした小型プライベートマリーナ構想などと連動し、海上ホテル跡地も新たな地域資源として再定義される重要な過渡期にあります。