都はるみの人生を語る上で欠かせないのが、彼女の表現を支え、時に深く苦しめた男性たちの存在です。
最初の夫である歌手の朝田あきらとは1979年に結婚するも、わずか3年足らずの1982年に離婚。母子密着の強い環境と多忙を極める芸能活動のなかで、家庭生活を維持することは極めて困難でした。
その後、彼女の運命を決定づけたのが、元NHKの看板プロデューサーであり、後に都はるみの個人事務所社長を務めた中村一好氏でした。中村氏は『紅白歌合戦』の演出などを手がけた天才肌の演出家であり、都はるみの歌手復帰を演出した最大の立役者です。二人は公私ともにパートナーとして数十年にわたり事実婚状態にありました。
しかし、2008年4月、中村氏は事務所内で自ら命を絶つという衝撃的な最期を迎えます。遺書には都はるみへの感謝とともに、深い苦悩が綴られていたと報じられました。最も信頼し、己の歌を預けていた最愛のパートナーの急逝は、都はるみの魂に計り知れない傷を残しました。当時の追悼取材で見せた彼女の憔悴ぶりは、多くのファンに深い衝撃を与えました。この喪失を乗り越えて2016年まで歌い続けたこと自体が、彼女のプロとしての凄まじい執念であったと言えます。