日本のゲームセンターにおけるサッカーの歴史を語るうえで、1990年代に登場した3Dアクションの金字塔を外すことはできない。株式会社セガが投入した『バーチャストライカー』は、それまでの平面的な描写を一変させ、圧倒的なグラフィックとダイナミックなカメラワークでプレイヤーを驚愕させた。アーケードゲーム筐体の前に立ち、レバーとボタンを叩き込んで放つ豪快なシュートの爽快感は、まさにアーケードならではの体験だった。
当時、スポーツゲームというジャンルは家庭用ハードが主流になりつつあった。しかし、不特定多数の視線に晒されながら対戦する緊張感、勝利した瞬間の高揚感は、アミューズメント施設という独特のリアル空間でしか生み出せない独自の価値だった。この作品が築いた基礎が、その後のアーケードサッカーの基盤となり、現在に至る進化の系譜へとつながっている。