タレントたちがテレビや広告で何事もなかったかのように美しい素肌を披露しているため、「ほくろ除去はレーザーを当てれば一瞬で消える手軽なケア」と誤認されがちです。しかし、美容皮膚科の現場取材から見えてくるのは、綿密なスケジュール管理と地道なアフターケアの存在です。
芸能人が通う御用達クリニックでは、長期間のオフ(舞台終了後や改編期の特番収録の合間)を狙って施術が組まれます。レーザー照射自体はわずか数分から15分程度で終了しますが、患部が上皮化(新しい皮膚で覆われること)するまでの約1〜2週間は医療用保護テープの貼付が必須となります。テレビ出演時は肌色の極薄ハイドロコロイドテープの上に特殊メイクを重ねてカモフラージュするケースもありますが、一般人の日常生活においてもマスク着用やテープ保護期間の確保は避けられません。
また、施術直後の赤みが引いた後に訪れるのが「炎症後色素沈着(PIH)」というハードルです。肌質や紫外線対策の成否によって、施術後1〜3ヶ月頃に一時的に茶色くくすむ現象が生じます。これを知らずに施術を受けた一般ユーザーから「ほくろを取ったのにシミのように残った」という不安の声がSNSで散見されますが、適切なビタミンC内服や徹底したUVブロックを継続することで、半年から1年かけて周囲の肌色へと馴染んでいきます。
ネット上の反応を定点観測すると、「個性が消えて寂しい」という懐古的な意見は全体の約15%程度にとどまり、約85%は「顔が引き締まって見える」「メイク映えが格段に良くなった」とポジティブに受容されています。美しさの基準が「固定された天然の造形」から「自らコントロールして磨き上げた肌質」へと移行している世論の反映といえます。