愛犬が突然部屋中を猛スピードで走り回ったり、飼い主の静止を無視して激しく吠え立てたりするとき、犬の体内ではアドレナリンが過剰に分泌されています。いわゆる「ズーミーズ(FRAPs:狂乱性突発疾走運動)」と呼ばれる現象ですが、その引き金となるのは単なる喜びだけではありません。日常の些細な刺激から生じる強い葛藤や違和感を振り払おうとする代償行動であるケースが目立ちます。
犬が限界に近い緊張や不快感を抱えているとき、見逃しやすい犬のストレスサイン行動が先行して現れます。自分の前足を執拗に舐め続ける、あくびを連発する、急に激しく体を掻きむしる、床や家具の匂いを異常な執着で嗅ぎ回るといった仕草は、まさに心の危険信号です。飼い主が「急に暴れ出した」と感じる場面でも、犬自身はそれ以前から不快感のサインを出し続けています。
犬が落ち着きがない理由を紐解く上で、まず疑うべきは生活環境の不協和音です。スマート家電が発する高周波音、室内の温湿度バランスの崩れ、あるいは家族間の不穏な空気などを、犬は人間の何倍もの感度で察知します。解消されない居心地の悪さが限界点に達した瞬間、暴走や過剰なウロウロ歩きとなって爆発するのです。