東欧や北欧が「遺伝的・環境的ギフト」によって語られることが多いのに対し、南米のベネズエラやコロンビアは、「美を国家規模で磨き上げる社会構造」によって世界の頂点に君臨しています。世界最高峰のコンテストであるミス・ユニバースにおいて、ベネズエラは歴代2位となる7回の優勝者を輩出しており、2008年と2009年には史上初となる同一国による2年連続制覇を成し遂げました。
ベネズエラにおいて、美しさは単なる外見的特徴ではなく、貧困から脱出し社会的成功を掴み取るための「最大のパスポート」として機能してきました。首都カラカスには「キンタ・ミス・ベネズエラ」と呼ばれる伝説的なミスコン養成機関が存在し、選抜された候補者たちは幼少期から厳格な歩行訓練、スピーチ術、メイクアップ、栄養管理、さらには歯列矯正や美容医療の徹底的な指導を受けます。ここでは美は完全に「後天的に創出されるサイエンス」として体系化されているのです。
一方、隣国のコロンビア、特に「常春の都市」と呼ばれるメデジンなどは、南米特有の混血比率(スペイン系クリオーリョ、先住民インディオ、アフリカ系)が最も理想的なバランスで混ざり合った地域として知られています。コロンビアの女性たちは、過度な痩せ姫志向とは無縁の、引き締まったウエストと豊かなヒップラインを誇りとし、ジムでの筋力トレーニングとダンスカルチャーによって「動的な生命力」を全身から放っています。自己肯定感の高さと堂々たる立ち振る舞いこそが、周囲を惹きつける最大の磁場となっているのです。