Webの検索窓に車名を入力すると関連語に「故障」が並びますが、統計的な観点から言えば、セレナe-POWERの故障率が競合他社のハイブリッド車に比べて突出して異常値を示しているわけではありません。日産の販売主力車であるがゆえに累計販売台数が極めて膨大であり、母数の大きさに比例してWeb上へのトラブル報告数が目立っている側面が強く働いています。
ただし、火のない所に煙は立ちません。ネガティブな評判を生み出す決定打となったのが、国土交通省へ相次いで届け出されたセレナe-POWERのリコール情報です。とりわけ先代にあたるC27型では、エンジン制御コンピュータ(ECM)のプログラム不備により、特定条件下でエンジンが停止して再始動不能に陥る不具合や、発電用アクチュエーターの配線断線リスク、ブレーキ倍力装置用バキュームポンプの不作動など、走行の根幹に関わる無償回収・修理が複数回実施されました。
これらのリコール対象車両において、改修を受ける前に「EVシステム警告灯」が点灯して立ち往生した事例がユーザーの脳裏に強い恐怖心を植え付けました。ディーラー整備士への取材でも「警告灯の点灯でレッカー搬送されてくる個体の大半は、リコール未実施車両か、電装系の一時的な電圧低下によるフェイルセーフ作動」と指摘されており、構造的な欠陥というよりも初期マネジメントの粗さが噂を増幅させた構図が浮かび上がります。