「アンパンマンで山寺宏一が演じる役数は一体何役なのか?」という疑問に対する正確な回答は、「レギュラー主要役だけで4役以上、モブやゲストを含めると累計50役以上」となります。1988年10月の第1話「アンパンマン誕生」から出演を続ける山寺宏一は、まさに作品の歴史そのものを体現する存在です。
初期から担当する「名犬チーズ」は言葉を発しない鳴き声のみの演技でありながら、喜怒哀楽を完璧に表現。「カバお」ではコミカルな少年声を響かせ、「かまめしどん」では東北弁混じりのリズミカルな台詞回しを披露してきました。さらに2019年からはパン工場の主である「ジャムおじさん」がそのラインナップに加わっています。
アニメファンの間で語り草となっているのが、「アンパンマン1話複数役伝説」です。1991年放送の第157話「バタコさんのたんじょうび」や記念回などでは、山寺宏一が1エピソードの中で7〜8役を兼任。クレジットに「山寺宏一」の名前が何度も登場する、あるいは「ほか」とまとめられる事態が頻発しました。ブース内の同一マイクの前で瞬時にチーズの鳴き声からカバおのセリフへ、さらに別キャラクターのリアクションへと切り替えるアフレコは、業界内でも「もはや生きた神話」と評されています。