歴史を遡れば、この視座は東洋思想の根幹に深く根ざしている。古代中国の思想家である孔子は、『論語』の中で「三人行けば、必ず我が師あり。其の善なる者を択びてこれに従い、其の不善なる者にしてこれを改む」と説いた。善人からも悪人からも学ぶ姿勢を持つべし、という教えだ。
明治から昭和にかけて日本資本主義の礎を築いた渋沢栄一も、著書『論語と算盤』において他者の言動を観察し己を律する倫理観を強調した。時代が激変しようとも、一流のリーダーたちが拠って立つ原点は変わらない。外部のノイズをすべて自身の糧へと変換する知性である。