日が落ちると、酒田の街は昼間とは異なる魅力的な表情を見せる。「初孫」や「上喜元」をはじめ、全国的にも評価の高い酒蔵がひしめく酒田は、酒好きにとっても聖地のような場所だ。港近くの居酒屋や小料理屋では、仕込み水と同じ水で育まれた地元酒と、旬の刺身や岩ガキ、ダケキミ(トウモロコシ)の天ぷらといった絶品のおつまみが味わえる。
近年、昭和の残り香が漂うレトロな横丁や旧花街エリアに、リノベーションを経た一軒家バーやカジュアルな立ち飲み居酒屋が誕生している。かつては年配客の憩いの場だったエリアに、若者や外国人観光客の笑い声が響くようになった。古い建物の梁や土壁を活かしたインテリアの中で、地元の銘酒をグラスで一杯から楽しめる軽やかさが、夜の街歩きに新たな流儀をもたらしている。