長年にわたり沈黙を貫いてきた防衛省の内部で、地殻変動が起きている。2026年に入り、関係者の間で共有され始めた最新の内部分析レポートには、パイロットの肉眼目撃だけでなく、最新鋭レーダーと赤外線追尾装置が同時に捉えた複数の「未識別航空現象」の解析データが生々しく記録されていた。
報告書に記されていたのは、既存の航空力学を無視した挙動だ。音速を超える超音速域への瞬時加速、急激な直角旋回、推進機構が見当たらない球体や円盤状の飛行体。それらは自衛隊の演習空域や原子力発電所周辺の制限空域に平然と侵入し、迎撃態勢を取る隙すら与えずに領空外へ離脱していた。
ある自衛隊関係者は匿名を条件にこう漏らした。「領空侵犯に対する初動マニュアルでは対応できない事象が、確実に増えている。ただの気球やドローンだと片付けるのは、現場を知らない者の気休めに過ぎない」。