バッカニア族の血を引くという理由だけで世界政府から迫害を受け、奴隷として拷問の日々を送っていたくま。彼の凄絶な生い立ちは、作中屈指の悲劇として読者の心を打ちのめした。ゴッドバレーで開催された「人間狩り」は、天竜人が非加盟国の住民や奴隷を標的に行っていた残虐な虐殺ゲームであり、その主催側として君臨していたのが最高権力者の一人、ジェイガルシア・サターン聖だった。
絶望の淵に立たされながらも、くまは同じく奴隷だったエンポリオ・イワンコフやジニーと共に生き残るための決死の作戦を立案する。自由を求めて悪魔の実を奪取しようとする幼きくまの勇姿は、後に「暴君」と呼ばれ、やがて自我を失う悲運のヒーローの原点として、物語全体に深い感情の深みをもたらしている。