太宰治の生誕100年を記念して制作された『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』(2009年)もまた、彼女の圧倒的な存在感が光る名作だ。放蕩に身を任せる天才作家の夫を健気に支えながらも、自らの女としての性に目覚めていく妻・佐知役を演じきった。
劇中で描かれる官能的な情愛のシーンは、昭和の退廃的な美しさとエロティシズムが見事に融合している。この作品での鬼気迫る演技が高く評価され、彼女は日本アカデミー賞協会主催の第33回日本アカデミー賞で最優秀主演女優賞を受賞。名実ともに日本を代表するトップ女優としての階段を駆け上がった。