大手レビューサイトやSNS上における読者の評判・口コミを精査すると、本作に対する評価は一般的なご当地マンガの枠を大きく超えていることが分かります。読者のリアルな声からは、主に以下の3つの強みが浮かび上がってきます。
第一に、圧倒的な郷土史リサーチの深さです。「小学生の子供が歴史好きになるきっかけになった」「地元民ですら忘れていた昭和の合併話や産業の歴史が描かれていて驚いた」というレビューが多数見られます。もぐら氏は図書館の郷土資料や現地取材を綿密に行い、参考文献を巻末にびっしり記載するほどの学術的アプローチをとっています。
第二に、自虐ネタでありながら決して特定の地域を蔑まない品格です。ネット上の県民性論争は時に攻撃的になりがちですが、『うちのトコでは』には地域への温かな眼差しが一貫して流れています。「自分の県がいじられても嫌な気持ちにならない」「お互いの短所と長所を理解し合える」という安心感が、幅広い年代層に支持される要因となっています。
第三に、ファンダムにおける二次創作や推し活文化との親和性です。SNS上では、自分の出身県やゆかりのある都道府県をモチーフにした「推しコーデ」やファンアートの投稿が活発に行われており、刊行から10年以上が経過してもファンベースが衰えていないことが証明されています。