秋葉原でワイン文化が花開いた背景には、この街特有の「オタク的探求心」が存在する。神田川沿いの角地に店を構えるヴァン・ナチュール専門店「Wine-G」のオーナー、鈴木一樹氏(39)は元Webエンジニアだ。
「コードを書くことと、ブドウのテロワールを解読することは、僕の中で同じ感覚なんです」と鈴木氏は笑う。醸造家の気候変動への取り組み、微生物の働き、ボトリングのタイミング。それらを徹底的にデータ化し、客にストーリーとして伝えるスタイルが受けた。単に「美味しい」を超えたコンテクストの提供が、知的好奇心旺盛な秋葉原の客層に合致した。