「笑うときに無意識に手で口元を隠してしまう」「人と話すとき、相手の視線が自分の口元に集中しているのではないかと恐怖を抱く」。手記やドキュメンタリー番組の密着取材で語られた有村藍里さんの本音は、長年一人で抱え込んできた深い傷口そのものでした。
彼女の決意の底流にあったのは、思春期から続いていた有村藍里の口元コンプレックスでした。上顎の突出や噛み合わせ、笑った際に歯茎が露出するガミースマイルに対し、10代の頃から強烈な違和感を覚えていたと自身で振り返っています。過去には歯の抜歯やセラミック矯正による審美治療、さらには歯茎の切除手術にも挑戦しました。しかし、骨格そのものに由来する突出感を根本的に解消することは叶いませんでした。
そうした悩みに追い打ちをかけたのが、世間による残酷な視線です。2017年に芸名を本名へと改名し活動を本格化させた直後から、有村藍里と妹・有村架純の比較がメディアやSNSで過熱しました。「妹に似ていない」「残念な方の姉」といった心ない誹謗中傷が毎日のように浴びせられ、ネット上では架空のキャラクターになぞらえた揶揄が飛び交いました。家族への愛情を抱きつつも、比較に晒される日々は自尊心を苛み、外出することすら苦痛になるほどの心理的孤立を深めていったのです。
それでも彼女が選んだ有村藍里の整形理由は、誰かを見返すためではありませんでした。「1mmでもいいから前を向いて笑いたい、自分の顔を好きになりたい」という、人間としての純粋な回復への渇望でした。2019年3月、自身の公式ブログおよびフジテレビ系特番『ザ・ノンフィクション』を通じて行われた有村藍里の整形告白は、芸能界におけるタブーを打ち破る歴史的な転換点となったのです。