国語辞典大手の『デジタル大辞泉』(小学館)によると、オンタイム(on time)には大きく分けて次の2つの定義が記載されています。
第1の意味は、「定刻に、時間どおりに」という副詞的・形容詞的な用法です。これは原語である英語の「on time」の意味を忠実に引き継いだもので、あらかじめ設定されていた開始時刻やスケジュール通りのタイミングで物事が進行している状態を指します。たとえば、電車の運行ダイヤや航空便の発着案内、イベントのタイムスケジュールなどで「オンタイム運行」や「オンタイムで開始」と使われるのがこのパターンです。
見落とされがちなのが第2の意味である「就業時間、勤務中」という用法です。大辞泉の補説にも「2は日本語での用法」と明記されている通り、これは日本独自のビジネス慣習から生まれた和製表現にあたります。プライベートな時間を指す「オフタイム」の対義語として位置づけられており、「オンタイムの服装(オフィスカジュアルやスーツ)」や「オンタイムでの私用電話は控える」といった文脈で用いられます。
つまり、ビジネスシーンで「オンタイム」という単語を耳にした際は、「スケジュール通りの時刻」を指しているのか、それとも「仕事モード・業務時間中」を意味しているのかを前後の文脈から瞬時に見極める必要があります。