キャスティングの先見の明には目を見張るものがある。主人公の新人教師・田茂青志を演じた二宮和也は、情熱をむき出しにする熱血教師像とは対極の、理屈っぽく皮肉屋だが生徒の本質を見失わない絶妙な指導者を体現した。彼が発する軽妙でありながら芯を食った台詞回しは、本作の最大の推進力だった。
さらに周囲を取り巻く生徒役やマネージャー陣の顔ぶれが凄まじい。野球部の紅一点マネージャー・樽見柚子を演じた有村架純、ひたむきに野球へ向き合う江波戸光輝を演じた山﨑賢人。当時から瑞々しい存在感を放っていた若手俳優たちが、今や主演映画や大作ドラマに引っ張りだこの主役級へと成長を遂げている。彼らの初々しくも熱量の高い演技のアンサンブルは、今観直すことでより一層の輝きを放つ。