仕事や家事を終え、リビングのソファでそのまま寝落ちしてしまう現象。これは単なる「心地よい疲れ」ではなく、脳のエネルギー切れによる「ドロップアウト(機能停止)」状態に他ならない。スタンフォード大学睡眠生体リズム研究所の所長であり、『スタンフォード式 最高の実快眠』の著者としても知られる西野精治氏は、このような不適切な環境での睡眠がもたらす害悪について長年指摘を続けている。
就寝用の布団やベッドとは異なり、ソファやリビングの床は解剖学的に人間が横たわる前提で作られていない。背骨が不自然に曲がった状態で数時間固定されると、首や腰への負担が跳ね上がり、血行不良を引き起こす。さらに、明るい照明やテレビの雑音が脳の感覚野を刺激し続け、浅い睡眠状態ばかりが繰り返されることになるのだ。