「年齢とともに脂肪がついたから垂れた」と考える人は多いですが、これは半分正解で半分は誤解です。形成外科やスポーツ科学の知見によれば、ヒップの下垂を引き起こす最大の要因は骨盤アライメントの崩れと抗重力筋である大臀筋の菲薄化(ひはくか)にあります。
長時間のデスクワークを続けると、骨盤が後ろに倒れる「後傾」または腰が反りすぎる「前傾」のどちらかに固定されがちです。骨盤が後傾すると大臀筋が常に引き伸ばされて筋出力が低下し、お尻の下部に脂肪が溜まりやすくなります。一方、前傾姿勢は一見お尻が上がって見えますが、実際は反り腰によって下腹部が突き出され、太ももの前側ばかりが発達するアンバランスを招きます。これが垂れ尻の原因と骨盤の深い相関関係です。
さらに見逃せないのが、デスクワークでお尻が痛い理由の根底にある「坐骨周囲の血行障害」です。座面にお尻の筋肉が何時間も圧迫され続けると、毛細血管の血流が滞り、筋膜が硬直します。結果として筋肉を使おうとしても神経伝達が鈍くなり、脂肪を支える筋力が急速に失われていくのです。