これまで格式高く、一握りの富裕層や食通のためだけの閉ざされた世界と見なされがちだった高級寿司業界。しかし、その概念はいま劇的な変貌を遂げつつある。「味わう」という体験に「観る」「知る」というエンターテインメント要素を融合させた「和食エンターテインメント」という新たな潮流だ。
伝統的な職人技をドキュメンタリー映画並みの映像表現で世界へ発信することで、若い世代や海外のファンを取り込むことに成功している。高級寿司業界が直面していた後継者不足や市場の固定化という課題に対し、このアプローチは極めて革新的な処方箋となっているのだ。ただ食卓に寿司を出すのではない。食体験全体を一つのストーリーとして魅せる手法が、今後の業界標準になりつつある。