街のシンボルである鶴ヶ城を中心に広がるこの土地で、カツ丼といえば卵とじではなくソースが当たり前だ。昭和初期、洋食文化の波に乗って誕生したとされるこの食文化は、時を経て地域に深く根付く郷土料理へと昇華を遂げた。手軽に腹を満たせる労働者の活力源だった丼は、やがて町全体の誇りとなったのだ。
その品質を守り、魅力を全国へ届けるべく発足したのが「伝統会津ソースカツ丼の会」である。加盟店それぞれが守り抜く独自のこだわりを尊重しつつ、共通のブランド価値を高める取り組みを継続している。単なるブームで終わらせず、文化として継承する地域ぐるみの熱量こそが、この味覚のクオリティを支え続ける根幹にほかならない。